26日、大阪府などで大気中の濃度が初めて注意喚起基準を超えた微小粒子状物質「PM2.5」に関して県は来年度、新たに御坊市など5カ所に測定局を設置する。県内には現在、和歌山市や橋本市、田辺市など9カ所にPM2.5の測定局があり、同日の測定結果は月ごとの一日平均値を大きくオーバー。県は測定局の増設のほか、ホームページによる独自の観測情報の提供も行う。
県内には現在、和歌山市が市内の小学校の屋上など6カ所、和歌山市以外では県が海南市(市役所)、橋本市(伊都振興局)、田辺市(会津公園)の3カ所にPM2.5の測定局を設置。それぞれSO2(二酸化硫黄)、NOx(窒素酸化物)などとともに、1時間ごとの大気1立方㍍中の濃度を観測している。
 和歌山市内は既設の6カ所で人口に応じた測定局数をクリアしているが、環境省の基準では和歌山市を除く県域は全体で8カ所必要で、県は来年度、残る5カ所を一気に増設。紀の川市(市役所粉河支所)、海南市(加茂郷地区)、有田市(市初島公民館)、御坊市(市民文化会館前の御坊監視支所)、新宮市(新宮高校)でPM2.5の観測を開始する。
 和歌山県ではこれまで、国が定めた注意喚起基準暫定指針値の一日平均70マイクログラムを超えたことはないが、大阪府や香川県、三重県、兵庫県など西日本の9府県で70マイクログラムを超える可能性があったため、外出や激しい運動を控えるようメールやホームページで呼びかける注意喚起が出された。
 和歌山県は来年度、測定局の5カ所増設で大気中の濃度監視体制を強化し、環境省のHP(そらまめ君)とは別に独自のHPを開設。携帯電話やスマートフォンからも、グラフ等で時系列の傾向や地域別の状況を分かりやすく確認できるようにする。