千両の実が色づき、葉ボタンも収穫時期を迎え、取れる農作物が師走に入ったことを感じさせてくれる。いまさらいうほどでもないが、日高地方は農業が盛んな地域で、南高梅やミニトマトなど全国に誇るブランド品もたくさんある。それでも後継者は減る一方で、耕作放棄地が増えている。この負の連鎖はとどまる気配がない。このまま農業は衰退していってしまうのだろうか。農業とは、人が生きていく上で必要な食料などを生み出す、人間の基幹産業といえるだろう。衰退は人の生活を脅かすことにつながる。
筆者の実家も農業を営んでいる。とはいえ、母が一人で豆や花を作っているので、耕作面積を増やすだけの労力はなく、耕作放棄地も抱えている。農業の衰退などと偉そうなことを言っても、改善するのは難しい。トラクターもかなり古くしょっちゅう故障するが、簡単に買い替えられる金額ではない。新しく購入しても、後継者がいなければ採算が取れない。機動力が鈍ると生産力が低下、ひいては生産意欲の低下にもつながる。これが地域農業が抱えている現実的な問題なのだ。
日高地区の3JAが来年4月に合併することがほぼ決まっている。生産者の所得を向上させるのがJAに課せられた大きな使命の一つで、生活の安定は若い担い手を増やすことにも直結する大切なことだ。ただ、それだけで課題が解決するわけではない。新たに就農する人材を育てることと、就農しやすい環境を整えることが必要。都会からIターンして農業を志している人もいるだろう。受け入れる窓口や態勢づくりに,JAが行政と連携して一層リーダーシップを発揮してくれることを期待する。 (片)

