JAみなべいなみ(久保秀夫組合長)は食塩を使っていない梅干し「塩零梅(えんれいばい)」を商品化し、同農協の直営店「ほんまもんふるさと産地直売所」(みなべ町)、「フレッシュマート」(印南町)などで販売を始めた。独自の製法で開発し、後味すっきりとした酸味の味に仕上げた。同JAでは「塩分が気になる消費者にも安心して食べてもらえる」とPRしている。
 近年、消費者は低塩の梅干し商品を好む傾向があり、同JAは2年前から食塩を使わない梅干しの商品開発に着手した。通常は農家が塩漬けした1次加工品の梅干しを加工業者が仕入れて味付けを行っているが、同JAは契約農家から塩漬けしていない完熟梅を購入し、食塩を使わずリンゴ酢とはちみつで漬け込んだ。味はすっきりとした酸味とほんのり甘口で、ご飯の友としてだけではなくデザート感覚でも食べられる。9月中旬ごろから販売を開始し、JA直売所のほか関東地方の一部スーパーや医療関係業者を通じて塩分の摂取を控えている消費者らに販売しているという。商品名の「塩零梅」は、商標登録を出願中。
 JAでは「子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に味わってもらいたい。梅干しの価格が低迷し、A級品が売れない状態だが、今回開発した塩零梅が起爆剤となって消費の拡大につながれば」と話している。価格は税込みで650㌘入り3200円、200㌘入り1100円。問い合わせはフリーダイヤル℡0120―72―4387へ。