南海トラフの巨大地震など大規模災害の発生に備え、県は31日、政府と共同で初の広域医療搬送訓練を実施する。南紀白浜空港にSCU(臨時医療施設)を開設、全国から30組のDMAT(災害時派遣医療チーム)を陸路と空路で受け入れ、県内11の災害拠点病院等に投入し、県外医療施設への患者搬送等をシミュレーション。日高地方は市内の国保日高総合病院が参加し、白浜空港のSCUとの連携を演習する。
大規模災害時の被災地内は多くの負傷者の発生、医療施設の機能低下により、十分な医療が確保できないことが予想される。今回の訓練は政府と共同で広域医療搬送のあり方を検証する目的で、県内の全災害拠点病院、災害支援病院のほか、県、航空自衛隊、海上保安庁などから約1000人が参加。航空機も自衛隊の輸送機、海上保安庁のヘリコプター、県ドクターヘリなど10機が投入され、県外から医師と看護師、業務調整員の計5人で編成するDMAT30チームを受け入れる。
白浜空港には広域医療搬送拠点のSCUが開設され、このSCUが臨時医療施設として負傷者の応急手当てを行い、日高病院や南和歌山医療センター、新宮市立医療センターなど5つの病院にDMATを投入。各病院は救急車や自衛隊ヘリなどで患者をSCUに搬送、重傷者は自衛隊の輸送機で県外の医療機関(訓練では長崎空港)へ搬送する。紀北、紀中地域については、高速紀ノ川SAが陸路のDMAT参集拠点となり、各病院からの重傷患者は大阪の八尾空港がSCUとなって受け入れ、府立急性期総合医療センターに搬送される。
今回の訓練には大阪、奈良、兵庫、鳥取からDMAT13組が陸路、富山、石川、福井などからDMAT17組が空路で和歌山入り。県医務課は「昨年は西日本の自衛隊災害医療機関との合同訓練を実施したが、ことしのような全国をエリアとした本格的な実働搬送訓練は初めて。高速のSAを使用するのも初めての試みで、大災害に備えて関係各機関との連携のあり方、課題を検証できれば」と話している。

