地震・雷・火事・親父といっても、昔ほど怖い父上は少なく、優しいお父さんが増えたいまでは子どもたちが聞いても首をかしげるかもしれない。世の中の怖いものを並べたことわざだが、親父が省かれる日もそう遠くはないだろうか。代わりはないのが一番なのだが、最近では「豪雨」という怖いものが増えている。ひと昔前までは夏の暑いときに夕立がくることがしょっちゅうあったが、最近では夕立という言葉ではおさまらないゲリラ豪雨、集中豪雨、さらには経験したことのない大雨が全国で起こっている。山口県や島根県では甚大な被害が出た。テレビのインタビューで高齢の住民が「水の怖さを知りました」と話していた。どれほどの雨が降ったのか、想像しただけで怖い。
2年前の9月、日高地方でも大雨による日高川等の氾濫で甚大な被害を受け、多くの住民が水の恐ろしさを目の当たりにした。山口県の被害の様子を見ていると、どうしても日高川の氾濫が頭に思い浮かぶ。民家は基礎を残して流され、橋は崩れ落ち、道路がえぐり取られた。すさまじい勢いの濁流を見ているだけで足がすくんだのをいまでもはっきり覚えている。正直、大雨が降ると不安になって日高川の水位をチェックしては、「まだまだ大丈夫」と心を落ち着かせている。
それにしても、雨の降り方は年々ひどくなっているように感じる。相手は自然であり、台風のようにあらかじめ進路が決まっているわけでもない。備えることすら簡単ではないが、中国地方の水害は対岸の火事ではなく、どこでも起こりうるとの認識は常に持っておきたい。津波避難だけでなく、水害を想定した逃げる訓練も必要になってくるだろう。 (片)

