県は27日、 和歌山市東部の梅栽培園で、 果実を落下させるなどの被害をもたらす 「ウメ輪紋ウイルス (プラムボックスウイルス)」 を初めて確認したと発表した。 感染が確認されたのは全国で9都府県目。 主産地のみなべ町や田辺市などへの拡大も懸念されている。 県は今後、 国と協力して輪紋ウイルスの根絶に向けて対策を進め、 感染樹はすべて伐採する。
 ウメ輪紋ウイルスは梅や桃などに感染し、 感染樹は落果したり葉に紋が出る被害が発生する。 アブラムシによって媒介されるほか、 感染した植物の苗や穂木などの移動で感染が広がる。
 県農業環境・鳥獣害対策室によると、 本年度と来年度に県内の梅とモモなどを合わせて計2万検体 (4000区画) を県が独自調査。 これまで2231検体が陰性となっていたが、 今月23日に調査していた職員が輪紋ウイルスの症状である葉に輪状の黄褐色の紋が表れた葉を発見。 付近の木も調べたところ、 簡易の検定調査で計4検体が陽性となった。 さらに詳しく調べるため、 このうち1検体を神戸市にある農林水産省神戸植物免疫所に送って調べたところ、 24日に陽性が確認。 感染樹だったことが判明した。
 県は3月に制定したウメ輪紋ウイルスの蔓延防止条例に基づき、 ウメ、 モモ、 スモモなどについて和歌山市から他の市町村への果樹 (種子と果実を除く) の移動を制限する。 県農業協同組合連合会などを通じ、 感染媒体のアブラムシ防除を呼びかける。 県内の梅の生産量は全国1位、 スモモは2位、 モモは3位となっており、 ウメ輪紋ウイルスが拡散すると大きな被害が発生することが懸念されている。 感染した木の果実を食べても人体に影響はないが、 みなべ町西本庄、 梅農家の谷本隆夫さん (59) は 「和歌山市で発生したウイルスの感染ルートなどを解明し、 拡大防止に取り組んでもらいたい。 果実を食べてもまったく問題はないが、 風評被害が心配」 と話していた。 町でも県と連携しながら対策を講じていく方針。
 国内では平成21年4月に東京都青梅市で初めて確認され、 以後は神奈川、 茨城、 埼玉、 滋賀、 奈良、 兵庫、 大阪でも発生。 昨年10月には大阪府泉佐野市でも見つかっていた。 現在、 神奈川は終息しているが、 今回の和歌山市を含めて8都府県28市区町で発生していることになる。