阪神甲子園球場で8日、JSERA日本スポーツ用品協同組合連合会近畿ブロック協議会主催の親善軟式少年野球大会が開かれ、日高川町の美山少年野球クラブが出場した。親善試合など行い、11人の選手たちは、憧れの舞台で興奮しながら打って守ってハツラツプレー。室内練習場では阪神タイガースの現役選手から指導も受け、「高校野球の聖地」での夢のようなひとときに、子どもたちは大感激していた。
 子どもたちに近くて遠い存在の甲子園の土を踏ませてあげたい、いつまでも野球を続けてほしいとの思いから企画された大会で、近畿2府4県と東北大震災で被災した東北3県の計14チーム、約250人が参加した。美山少年は、御坊市本町のスポーツショップ野田が推薦。県内からは推薦を受けた20チームの中から抽選の結果、岩出グリーンズ(岩出市)とともに選ばれた。
 美山少年の子どもたちは、開会式でグラウンドに足を踏み入れると大興奮。「めっちゃ大きい」「とってもきれい」などと次々と驚きの声が上がり、親善試合では滋賀県の土山・山内スポーツ少年団と対戦。試合は0対5で敗れたものの、思う存分に自分たちのプレーを展開。緊張しながらも投手は伸びのあるボールを投げ込み、内野手は土にまみれて白球を追いかけ、外野手は慣れない天然芝の感触を楽しみながら本塁打性の当たりを好捕するなど夢舞台で元気いっぱい。田染寛樹主将(12)は「甲子園で野球ができてとてもうれしい。ますます野球が好きになりました。高校生になったら絶対ここでプレーをしたい」と興奮気味に話していた。
 野球教室では、鶴直人投手、渡辺亮投手、岡崎太一捕手、野原将志内野手ら現役6選手からマンツーマンで指導を受け、守備ではポジション別、打撃ではティー練習でアドバイスが送られた。このほか、歴史館も訪れ、智弁和歌山やPL学園、池田など高校野球の歴代優勝校のユニホームや大正時代の優勝旗など見学した。