県警察嘱託警察犬指導手会主催の警察犬競技会が27日、 岩出市の大宮緑地総合運動公園で開かれ、 臭気選別の部で日高町高家、 介護職員大土博章さん(52)所有のオーロラ号 (アメリカンボクサー、 メス7歳) が3度目の挑戦で見事初優勝を飾った。 かいだ臭いと同じ臭いのする布を持ってくる競技で、 4回すべて的中するパーフェクトは逃したものの、唯一3回的中させ、うれしい優勝旗を手にした。
 アメリカンボクサーの警察犬は珍しく、 県内 (嘱託31頭) ではオーロラ号だけ。 生後数カ月のとき、 犬好きの長女にプレゼントしたが、 おてんばを指導してもらおうと和歌山市の警察犬学校に預けたのがきっかけ。 教官からアドバイスを受け、 警察犬を目指すことになった。 大土さんも飼い主として指導手になろうと決意し、二人三脚で訓練を重ね、 5年前の審査会でオーロラ号は警察犬、 大土さんは指導手に見事ダブル合格した。
 コンビで競技会に出場するのは今回が3回目。 臭気選別は、 犬に容疑者に見立てた犯人の臭いをかがせ、 スタート位置から約10㍍離れた選別台に並べた5つの布から同じ臭いの布を持ってくる正解率を競う競技。 7頭が出場した中、 3番目に登場したオーロラ号は、 4回の挑戦のうち1、 2回目を難なく的中。 3回目はかいだ臭いと同じ臭いがなく、何も持たずに戻る 「ゼロ回答」 という高度な能力が求められる難関も見事にクリア。 最終の4回目はミスしたものの、 ほかの犬が苦戦する中トップの正解率で栄冠に輝いた。 大土さんは「出番が来る前はリヴ(オーロラ号の愛称)のテンションが上がっていましたが、本番になると落ち着いてじっくり臭いをかいでくれたので手応えはありました。 優勝が決まったときは本当にうれしかった。 リヴを褒めてあげたい」と満面の笑み。 11月の審査会には長女・葉月さん(20)も指導手に挑戦することになっており、「父娘で合格できるように頑張りたい」と力を込めて話していた。