和歌山市のマリーナシティ駐車場で20日、重さ12㌧以上もある大型トラックをけん引ロープで引っ張り、30㍍先のゴールまでのタイムを競い合う「第6回トラック引きレース」があり、日高町の「九絵力」(くえちから)チームが見事初出場で優勝を飾った。出場39チーム中6位で予選を通過すると、決勝では2位以下をコンマ数秒抑え、大物として知られる町の名物クエの名に違わぬ力自慢ぶりを見せつけた。
 主催は、社団法人県トラック協会。10月9日の「トラックの日」にちなみ、トラック運送業への理解と関心を深めてもらうイベントの一つとして開催された。全員の合計体重が400㌔以下の5人でチームを編成し、県内から39チームが参加。九絵力は予選を25秒台で6位通過、決勝は23秒252のタイムをたたき出し、23秒台が3チームとなった混戦をわずかに制した。
 九絵力のメンバーは、早稲田伊織(萩原)、山田周平(志賀)、山本将太(比井)、川瀬寿久(志賀)、石家隆寛(萩原)の5選手。監督は辻本篤史さん(同)が務めた。20代後半から40代前半の顔ぶれで、普段は綱引きチームとして活動している。大会前には同協会日高支部の川口明美支部長が社長を務める白馬運輸㈱の敷地(御坊市湯川町小松原)で大型トラックを借りるなど同社の協力の下、練習に取り組み、本番に備えた。
 メンバーの1人、山本さんは「他のチームにはマッチョの人が多く、綱引きの強豪チームの人たちも出場していたので手ごわいなと思っていました。優勝は目指していましたが、楽しくやって入賞できればいいなという気持ちでレースに臨みました」と話し、予選から一気に3秒ほど縮めての優勝には「予選で他のチームの引き方を見て、各自の立ち位置とか水平にまっすぐ引くとか改良したのがよかったと思います。それに、みんなで力を合わせてチームワークを発揮できたのが勝因です」と笑顔で振り返っていた。
 日高支部からはこれまで出場チームすらなく、地元勢でも初の優勝となった。