東日本大震災の被害を教訓に、津波警報の過小評価を防止する技術の開発などを目指し、国土交通省の国土技術政策総合研究所(国総研)や関西大の研究チームが、 美浜町和田の海岸に潮流変化等を調べるレーダー観測装置を設置した。
 研究チームは国総研の沿岸海洋研究部、関西大社会安全学部、琉球大工学部、情報通信研究機構沖縄電磁波技術センター、長野日本無線㈱などのメンバー9人で構成。関西大の高橋智幸社会安全学部教授が代表を務め、本年度と25年度の2カ年を研究期間とし、このほど美浜町の本ノ脇漁港近くの海岸に9基の海洋レーダーを設置した。
 レーダーは美浜町のほか、白浜町の海岸にも設置され、アンテナから海に向けて出る電波で数十~百数十㌔の海表面の流れ、波の高さなどを観測。本年度はレーダーやGPS波浪計による津波観測に関する基礎データの取得と解析、観測結果や東日本大震災のデータを使った津波波源・伝播モデル技術の開発などを進め、25年度は津波過小評価防止技術、激甚被災地探索技術の開発、自治体の防災担当者を対象とした津波防災情報システムの検討などを行う。
 観測はすでにスタート、18日には美浜町の現地で研究者による説明会が開かれる。