由良町の衣奈海岸で7日から8日にかけて、 カツオが謎の大量死をしているのが見つかった。 昨年夏場にも同じ現場で同様の大量死が確認されており、 2年連続の事態。 1000匹以上にもなる死骸は海水浴場に打ち上げられ、 周辺には生臭い、 ひどい腐臭を漂わせている。 付近住民や旅館関係者らは 「臭くて窓も開けられない。 このままでは観光にも大打撃」 などと悲鳴を上げており、 町はすぐに死骸を撤去し、 原因の調査に乗り出すことも決めた。
 付近住民や旅館関係者らによると、現場は衣奈港北側の衣奈海水浴場。7日、波打ち際に沿って100㍍ほどの範囲にわたって1000匹以上のカツオの死骸がずらりと並んでいるのが見つかり、役場へ連絡した。昨年も盆ごろに同じような大量死があり、「これまでも毎年少しはあったので去年は我慢した。こんなにひどいのが2年連続だと気持ちが悪いし、臭くて窓も開けられない。一度、原因をきっちりと調査して対策してほしい」との声が一気に噴出した。
 打ち上げられたカツオは8日朝に役場が業者に委託し、11人がかりで2㌧トラック1車分を撤去したが、潮の干満の関係からか午後にはまた100匹以上の死骸の漂着が確認された。夏場だけに打ち上げられるとあっという間に腐敗が進むようで、すぐに周辺にはひどい悪臭が広がっている。大部分を撤去した8日午後の時点でも鼻をつまむほどの臭いがあり、旅館関係者の1人は「バーベキューをしたいという人たちもあまりに臭いので場所を変更するといって帰った。これから盆の書き入れ時なのに、この臭さではどうしようもない。毎年こんなことがあれば、もう観光客も来てくれなくなる」と町のイメージダウン、観光に大打撃を及ぼす事態に頭を悩ませている。
 カツオは、由良町近海でもよく獲れ、加工や熱調理して食べられることが多いというソウダガツオとみられている。現場にはカツオ以外の小魚等の死骸は見つかっていない。役場が県などに状況を説明したうえで問い合わせたところ、「死んでいる魚がカツオだけということなので、赤潮や薬物などではないと思われる。それらが原因なら他の魚も一緒に打ち上がってくるはず」と原因は不明。町では打ち上げられた死骸は順次撤去する方針で、さらに「県だけでなく海上保安庁、その他の関係機関にも協力をお願いし、全力で原因調査、究明に乗り出したい」と話している。
 衣奈海水浴場は、シーズンになると連日数十人の海水浴客でにぎわうという。カツオの大量死、現時点では真夏のミステリー。解決には少し時間がかかるとみられ、付近の悩みの種になりそうだ。