相次ぐ墜落事故で安全性への懸念が広がっている米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、日本各地で計画している低空飛行訓練で、印南町がルートに入っている可能性が高いことがわかった。県内がルートに入っていることについて仁坂吉伸知事がすでに反対の考えを示しており、印南町の日裏勝己町長も同調していく方針だ。
 オスプレイは両翼に回転翼を備え、角度を変えることで垂直離着陸したり水平飛行したりできる航空機。相次ぐ墜落事故が問題視されており、ことしも4月にモロッコ、6月にフロリダ州で墜落している。日本では今月24日頃に米軍岩国基地(山口県岩国市)に搬入され、8月に沖縄に配備、10月から本格運用される見通し。米政府が示した地上約150㍍を飛行する6つのルートのうち、四国を横切り紀伊半島に至る「オレンジルート」の地図㊦で、印南町島田地域などが含まれているとみられている。
 仁坂知事は「騒音問題もあり、上空を飛ぶ必然性が説明されていない」などと反対しており、日裏町長も「まだ何の報告も受けていないが、町内上空を飛ぶことになれば反対したい」と話している。