関西電力の大飯原発再稼働問題で、条件付きで再稼働を容認したとも受け取れる関西広域連合の声明について仁坂吉伸知事は6日、「われわれ(広域連合)に稼働を認める権限はない」とし、「再稼働を容認した」との受け止め方を否定。現時点の再稼働の確率も「50%ぐらい」との厳しい見方を示した。声明の「限定的なもの」という表現については、橋下徹大阪市長が主張した3カ月限定でも、細野豪志原発事故担当大臣の「新たな規制組織発足後の安全性確認で停止もあり得る」という考えでもよいとした。
 関西広域連合は先の会合で細野大臣からの説明を受けたあと、 大飯原発の再稼働に関し、 「政府の暫定的な安全判断であることを前提に、 限定的なものとして適切な判断を求める」 という声明を発表。 これを受け、 政府は関西自治体が 「条件付きながら稼働を容認した」 と受け止め、 野田佳彦首相が近く最終判断する意向を固めたとされている。
 仁坂知事は6日の定例会見で 「事実上の容認」 という受け止め方について、 「原発の稼働を認める権限を持っているのは法律上の国と福井県、 おおい町だけで、 私たちが 『容認』 という言葉を使った覚えもない。 再稼働は今後、 国が権限を発揮して判断するが、 それに対して 『(政府は) 暫定的な (安全) 判断なのだから、 限定的なものとしてよく考えてほしい』 と注文を出したまでで、 再稼働の方向性には全然なっていない」 と否定。 再稼働の確率も 「私はまだ50%ぐらいの気分」 と答えた。
 声明の 「限定的なもの」 という表現については、 「橋下さんが主張された時間的な限定でもよい」 とし、 電力需要ピーク時の夏場だけの稼働とする考えに賛意を示す一方、 細野大臣が5日の衆院環境委員会で示した 「新たな規制組織が発足したあと、 (稼働した場合の大飯3、 4号機も) 安全性をあらためて確認し、 判断しだいで運転停止もあり得る」 との考えにも、 「これもある意味で限定的」 と理解。 「橋下さんの考えが正しく、 こちらはだめだとは論理的にいえない。 私はどちらでもよい。 それは政府が決めること」 と述べた。