今春のセンバツ高校野球大会覇者・大阪桐蔭 (大阪) の近田 (きんでん) 拓矢選手=2年、大成中出身=が、春季近畿大会で大活躍を見せた。 今大会からベンチ入りを果たし全3試合に4番一塁手で出場、 準決勝の明石 (兵庫) 戦で3安打2打点と大暴れするなどチームを優勝に導いた。 元五輪キューバ代表の主砲にちなんだ和製キンデランとの愛称を持つ逸材。 夏の選手権大会をはじめ、 今後の活躍に全国から注目が集まっている。
 明石戦。 キンデランが突破口を開いた。 打線は相手投手の前に沈黙していたが、 4回2死一塁から近田が強烈な打球の左中間二塁打を放って1点を先制。 1―1で迎えた6回には2死三塁から左前へ決勝打を放つなどの活躍で、 チームの勝利に貢献した。
 西谷浩一監督がキンデランと名付けるほどのパワーヒッター。 180㌢、 82㌔の体格から繰り出されるスイングスピードはチームトップの153㌔、 握力も75㌔の怪力。 センバツ大会では選手層が厚く、 守備面に不安があることなどからベンチ入りできず、 アルプススタンドで校旗を掲げてチームメートを応援。 優勝に大喜びする一方で、 自身がグラウンドにいないことに悔しさを感じた。 今春の私学大会では6試合5本塁打と爆発し、 西谷監督が 「飛距離は同校出身のプロ選手、 中田翔 (日本ハム) に迫る」 という逸材が一気に開花。 今大会でいきなり4番に抜てきされ、 5安打2打点の活躍、 成長をアピールした。
 センバツで4番、 一塁手で出場していた選手はケガが完治、 間もなく復帰する予定で、 チーム内の競争は激しくなる。 「夏のメンバー入りを果たし、 試合に出られるよう頑張る」 と意欲を見せた。