20日告示、27日投開票の市長選は、いよいよ前哨戦も最終盤。これまでの戦いを振り返ると、現職柏木征夫氏(71)=薗・5期=が経験と実績を武器に盤石の支援態勢で幅広く支持を集めて優勢。対する新人山本勝也氏(51)=島・飲食店経営=が変革を旗印に現職批判票や無関心・若者層を取り込んで追いかける構図となっている。
 柏木氏 去る7日から開いている市政報告会が主な訴えの場で、告示前日の19日まで延べ17会場で実施を予定。各会場では保守系議員が応援弁士として駆けつけており、中には100人を超す有権者が集まった会場もあった。支援態勢をみると、町内会や各種民間団体のほか、民主党の支持団体である連合和歌山なども含めて約40団体から推薦状が寄せられている。後援会の最高顧問には自民党の二階俊博代議士が就任するなどで、事実上新風会からの支援も受けている格好。市議会では保守系の全12議員が支持を表明している。こういったことから組織的には盤石とみられ、後援会幹部の中には「目標は1万票」と漏らす人もいるが、安泰ムードに伴う票の目減りが不安材料となっている。
 山本氏 先月28日からロマンシティ前などで街頭演説を行っており、告示前日の19日までに計20日間実施。一日当たり4~6カ所で行い、延べ100回を目標にしている。最初のうちは原稿を見ながらの演説だったが、いまでは原稿なしで20分以上訴えられるように。「市政に対する思いが次々と湧いてくる」と話しており、演説中は手を振ってくれる人もいるなど手応え上々。後援会事務所にも選挙を心配して駆けつける人もおり、ボランティア的に支援の輪が広がりつつある。ネットのコミュニケーションサイトを利用した訴えに賛同する有権者もいる。しかし、もともとの支援母体や有力な支持者がいないため、どの程度批判票や無関心層を掘り起こせているのか未知数となっている。