2月14日といえばバレンタインデー。女性が男性へチョコレートを贈る日である。日本チョコレートココア協会の統計を見ると、バレンタインのチョコの総売上は600億円ほどだそうだ。総女性人口の半数がバレンタインのチョコを贈ったと想定すると、1人当たり約1000円使っている計算になるという。菓子業界では大きな売り上げになっているが、それはバレンタインの風習が広く浸透しているからである。
 ちょっと話が変わるが、「6月6日は何の日?」と問われて答えられる人は少ないのではないだろうか。みなべ町や印南町など紀南の梅産地の各団体でつくる「紀州梅の会」が平成18年に定めた「梅の日」である。全国的に広め、バレンタインデーのチョコレートのように梅の日に梅を食べて健康になってもらおうという狙いで制定された。
 毎年この日には京都の上賀茂・下鴨の両神社に梅を奉納、東京でフェアなどさまざまな取り組みを展開しているが、まだまだ全国的な認知度は低い。紀南地方でも盛り上がりは少ないのが現状。まずは地元住民の盛り上がりから図っていく必要があるのではないだろうか。それには梅の日には地元の小中学校を休校するぐらいの思い切った取り組みも必要だ。ユニークでインパクトのある取り組みだと、大手の新聞やテレビなどのマスコミが取り上げる可能性もある。そうなれば全国的な普及への第一歩として弾みがつく。
 バレンタインデーの場合、菓子メーカーのモロゾフが昭和11年に広告を出したのが最初らしい。今のように広く定着するまでには40~50年の時間がかかったそうだ。諦めない地元の熱意と工夫に期待したい。  (雄)