京都府亀岡市で登校中の小学生らの列に車が突っ込み、大人と子供10人が死傷する痛ましい事故が起こったばかりだが、今度は千葉県でも登校中の児童の列に車が突っ込み、子どもの命が奪われてしまった。同じ年頃の子どもを持つ親として胸が痛い。亀岡のケースは無免許で居眠り運転なので情状酌量の余地はなく、危険運転致死傷罪が適用されてしかるべき行為だ。千葉県のケースは前をよく見ていなかった可能性があるようで、わずかな不注意が重大な事態を引き起こす。ハンドルを握る者は誰しも危険と隣り合わせということを再認識しなければ、との思いを強くした。
 亀岡市の事故では通学路の危険性を訴える声が以前から上がっていたという報道があった。ほかに通学路に適した道があったのか分からないので何ともいえないが、このような重大な事故が起こってしまった以上、指摘されて当然だろう。どんなことをしても100%の安全保障はないのだろうが、限りなく100%に近づけるのが行政や学校、地域、われわれ保護者の責任である。車が通行する通学路に歩道やガードレールを設置してほしい、保護者としては当然の要望である。
 全国的にはすでに、通学路の安全点検が広がっている。ただ、車や人通りの少ない路地は防犯面での危険が指摘される。地域の道路事情により、どうしても危険な場所があるのも仕方なく、解消するには道路を改良するか、通学バスを運行させるか、保護者が毎日送り迎えするしかないのが現状だろう。そんな中でよりよい対策を導き出すのは難しい部分もあるが、まずは現状を把握し、何が最善の策なのか検討するのは各教育委員会の喫緊の課題である。何か起こってからでは遅い。 (片)