県が平成3年度から開設工事を進めていた森林基幹道白馬線 (スーパー林道)が開通。全線で供用を開始した。日高川町室川峠から、奈良県との県境を通る国道371号(高野龍神スカイライン) に連結する東西線。林業の発展のほか、 新たな産業道路としても期待されている。 完成を祝し、 開通セレモニーを予定している。
 スーパー林道は、平川地内の県道広川川辺線から田辺市龍神村地内のスカイライン(護摩壇山の北)まで、白馬山脈尾根沿いを50・9㌔で結ぶ幅員4・5㍍から5㍍の道路。総事業費約96億8000万円で昨年度まで21カ年計画で進められていた。
 
 延長が長いため工事は14区間に分けて行い、22年度までに約50㌔を開設・改築(もともと林道があったところを改修)、うち49・1㌔の舗装が終了。最終年度となった昨年度は約2億400万円(22年度補正を含む)をかけ、残り工区の長者ヶ峰付近0・9㌔を開設、1・8㌔を舗装し、待望の全線開通となった。工期があまりにも長期間で、傷んでいる部分が多く、昨年9月の台風12号による影響などもあり、一部道路や法面などが欠損しているところもあることから、現在、日高川町など関係自治体では修繕補修工事に取り掛かっている。予定している開通セレモニーについては、5月中に開かれる開通促進協議会の幹事会で詳細が決まる。
 白馬山脈は豊富な森林資源に恵まれながら、林道の整備が未発達で貴重な資源を生かせていない。スーパー林道は、本線を軸とした森林路網の発達を促すことが目的で、施業の効率化や紀州材の安定供給の確立など林業の活性化へ期待は大きい。さらに日高地方から龍神方面や京奈方面へのアクセス道、白馬山脈尾根沿いに計画がある風車事業の運搬作業道など多方面での利用も期待されている。