日高川町美山地区で進められている国道424号の拡幅改良工事で、建設中だった滝頭トンネルが完成した。トンネルは、道幅が狭く急カーブや急勾配などで大型車の対向が困難な滝頭地内旧道に代わりバイパスの役割を果たす、待望の2車線道路。供用開始はことし夏ごろになりそう。
 トンネルは熊野川地内の新木滝谷橋から椿山ダム手前の笠松大橋の間に建設。延長は国道番号と同じ424㍍で、幅員は6・5㍍(車道5・5㍍)。平成21年度に着手し、おととし11月から掘削工事がスタート。熊野川側から計約300回の発破で、やや右にカーブを描きながら掘り進め、昨年4月末に貫通した。以後、トンネルの側面をコンクリート張りする覆工や道路舗装、照明工事などに取り掛かっていた。施工は㈱森本組(本社大阪)・㈱古部組(日高川町山野、仲修美代表)特定建設工事共同企業体。
 全体の拡幅工事は熊野川―初湯川の3・5㌔の区間。平成19年度に採択され測量・設計。翌年度から1車線を幅員6・75㍍(車道5・5㍍)の2車線に改良、2㍍の歩道を設置する工事を進めており、昨年度末で進捗率は87%。残りは新木滝谷橋南詰め約140㍍、熊野川地内の伊藤荘から北へ1300㍍の拡幅と野々古橋の架け替えで今夏完了を目指している。総事業費は約34億円。
 国道424号は紀の川市から田辺市までを結ぶ路線。地域住民の生活産業道、龍神・熊野方面への観光ルートとして利用されるなど交通量が多いわりに、現在拡幅工事中の熊野川―初湯川間は未整備部分が多く残っていた。