5月20日告示、 27日投開票の市長選で、 新人の山本勝也氏 (51) =島・飲食店経営=が5日、 公約を発表した。 「地方から発信、 変革」 などをキーワードに 「市民感覚の政治」 を目指しており、 具体策としては中国の 「春秋左氏伝」 にある 「武の七徳」 を参考に、 市長報酬の3割カット、 無償・無税の企業誘致など7本柱を掲げている。 中には多選防止条例の制定も視野に入れるなど、 現職柏木征夫氏 (71) =5期=との対決姿勢も前面に押し出している。
 山本氏の政治信条は「若者が高齢者、障害者を支え、高齢者、障害者が若者を見守り、子どもたちが地元で育ち地元で働くための社会、災害に強い福祉の行き渡るまちづくり。夢のある御坊、夢がかなえられる御坊」としており、「市民による市民のための市民の政治を目指したい」と意欲。自身が掲げる「御坊布武」にかけて、中国思想家の孔子が編さんしたとされる春秋左氏伝の中で説かれている武の七徳(暴を禁ず、民を安んず等)を引用し、具体策として①市長報酬3割カット②多選は最低でも3期12年(本当は10年が理想)まで、多選防止条例の制定③現行で小学校卒業までの医療費無料化をまず中学、将来的に高校卒業までに拡大④全産業のセールスを国内、世界で行うための「成長戦略室」の設置⑤災害に強いまちづくりで年1回市民全体の防災訓練の実施⑥福祉・教育改革で高齢者、障害者、子育て、勉強、スポーツの分野別に安心できる支援⑦無償・無税・電源優遇で企業誘致推進、起業にも独自の援助を掲げている。
 中でも最優先でしなければならないことに市長報酬カットを挙げており、「行財政改革でここからやらなければ市民はだれもついてこない。現行で月額78万円だから3割カットして50万円台にすれば民間の社長レベルになる」と訴えている。さらに「年間3、4回は分野別で市民との討論会を開催。市民感覚の政治をするためには市民の声を聞くことが大切」と意気込んでいるほか、「今回の選挙戦の出馬に際し現職陣営からのプレッシャーがすごい。後援会事務所もなかなか見つからない状況だった。当選のあかつきには公務員の選挙介入を防ぐため、政治と行政の区別をつけたい」と選挙体制に対する現職批判も。「後援会長もつくりたいが、現職陣営と付き合いのある人が多く、なった人がかわいそうなので置かない。無関心層を掘り起こしボランティア的に支援の輪を広げていくしかない」と話している。
 拠点となる事務所は日高新報社北側にある元スナック「オーブ」の建物に決定。近く後援会組織として「御坊布部の会」の設立も目指しており、今月20日過ぎには事務所開きを考えている。一方、柏木陣営は14日に薗の伊勢屋で後援会の事務所開きを予定している。