御坊商工会議所 (吉田会頭) が紀州材輸出の社会実験をきっかけにかねて交流を続けている中国大連総合商社 「遼寧成大貿易発展有限公司」 の林強社長らが12日に商工会館を訪れ、 吉田会頭や柏木征夫市長と懇談した。 その中で林社長は大連港に木材輸入専用の埠頭(ふとう)整備が進んでいることを報告し、 「完成すれば日高港からぜひ木材を輸出してほしい」 などと、 大連港での受け入れに全面協力する姿勢をみせた。
 林社長は家族らとともにプライベートで来日。懇談の場では「この機会を利用して報告したいことがある」とし、「大連港で地元と日本、シンガポールが協力して木材専用の埠頭開発を行っている。木材は乾燥させて建築資材などに利用するが、政府から港で乾燥できる許可も得ており、木材を輸出する側は乾燥の手間が省けコスト削減につながる」と説明。さらに「御坊や周辺にはたくさんの間伐材があると聞いており、製紙原料にもってこいだと考えている。日本人1人当たりが年間に使う紙の量は500㌔。中国では50㌔とまだ少ないが、これからどんどん需要が増えていく。また、中国では農村の生活水準アップを目指すため新しい家が次々建っていく。ここでも木材が必要になる。木材の商売は10年、20年先までいける」などと、日高港からの木材輸出に熱烈ラブコールを送っていた。
 吉田会頭は「紀州材は質がよいので、できるだけ高値で買っていただきたい」と要望し、柏木市長は「建築材にヒノキを使えばアトピーに効くという報告もあるので、そういった使い方もできる」と紹介していた。
 今回の林社長からの提案は地元林業者にとって大きなビジネスチャンスで、日高港の有効活用も期待できる。ただ、林社長によると、現在ニュージーランドやチリ、ロシアから輸入している木材の価格は1立方㍍当たり1万円を切っており、2倍以上の値がつく紀州材との価格交渉がポイントとなりそうだ。