県立医科大の腎臓内科・血液浄化センターの前教授が民間病院から不適切な寄付を受け取っていたとされる問題に関し、県議会の中村裕一議員が2日の一般質問で大学側の対応を厳しく批判した。
 中村議員は「県内では医師が不足しているといいながら、(医大が)県外の民間病院に医師を派遣したことがとくに腹立たしい」と怒りもあらわに、派遣決定の経緯や寄付金と派遣先の関係、医局会計の実態、透析患者の紹介料の実態など多くの疑問を列挙。さらに、先月8日に大学側が公表した調査委員会の調査結果についても、「私のような門外漢でも、とても誠実に調査したとは思えない」と非難のうえ、調査の方法や全医局会計に不明朗な入出金がなかったという根拠など疑問はさらに深まったとし、「この報告書で説明したと考えているのか。議会への説明も委員会で説明したことで終わったと考えているのか。私にはよくわからないことばかりだが、知事はこの報告に満足しているのか」と考えをただした。
 仁坂知事は「調査結果では横領とか贈収賄とかはないと報告されており、それはそうだろうと思うが、事情聴取に応じなかった堺市の病院はけしからん。私は病院名を公表すべきといったが、そうされなかったことだけが不満だ」と答えた。