みなべ町は来年度から肺炎球菌ワクチン予防接種を受ける75歳以上の高齢者に補助金を出す方針を固め、 平成24年度の当初予算案に事業費として750万円を計上した。 日高地方では初の試みで、 接種費用 (通常6000~7000円程度) のうち5000円を町が負担する。 実施時期は未定。 担当の保健福祉課では 「高齢者の健康維持に努めたい」 と話している。
 肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、敗血症などがある。免疫力が弱い幼児や高齢者が症状を引き起こしやすい。4歳以下の幼児には国からの補助があるが高齢者にはなかったため、町独自の補助を設ける。対象は75歳以上とし、病院で肺炎球菌ワクチンの予防接種を受けると、町が5000円を負担する。5年に1回程度の接種で効果があるという。町内の75歳以上の対象者は約2100人で、今回の予算案には約7割に当たる1500人分、750万円を盛り込んだ。担当の保健福祉課では「ワクチンは東日本大震災で仮設住宅などに入っている被災者らが優先されるため、当地方などでは不足している状態。このため実施時期は未定だが、1人でも多く接種が受けられるようにして、お年寄りの健康維持に努めていきたい」と話している。