みなべ町の台風12号による被害総額が概算で約93億円に上ることが、 町や県のまとめで分かった。 最も被害が大きかったのは道路や河川など土木施設で、 全体の約8割を占める76億円。 次いで農地など農林水産業施設関係で11億円となった。 こうした中、 小谷芳正町長は 「町が管理する施設の復旧については、 3年以内にできるよう進めていきたい」 と意欲をみせている。
 県が管理する国道や県道で42億円、 河川で20億円の計62億円。 残りの31億円は町が管理する施設や農地、 農作物被害など。
 県の管理施設で特に大きな被害となったのは清川の国道424号線、 法手見トンネル付近の山斜面の土砂崩れ。 現在は復旧の工法を検討中だが、 およそ30億円と試算した。 このほか東本庄地内の道路欠壊では1億2000万円など。
 町が管轄する施設の主な被害額の内訳は道路4億1980万円、 河川10億1845万円。 農林水産業施設では農業施設で9億500万円、 農地で1億4600万円などとなっている。 農産物被害では2億1839万円、 商工被害では1億6450万円とした。
 人的な被害では土砂崩れで男性1人が死亡。 物的被害では全壊1棟、 床上浸水21棟、 床下浸水32棟となった。
 台風12号による雨量は、 清川の名之内広場の観測所で累計896㍉を記録。 滝地内の南部川水位観測所で7・89㍍ (9月4日午前1時) となり、 氾濫注意水位の4㍍を大きく超えた。 小谷町長は 「被害額や農地の傾斜によっては国の補助の対象外となるが、 その場合も町単独で補助を出す。 近く説明会を町内3カ所で開きたい」 と話している。