日高地方各地で秋祭りがにぎわった9日、台風12号で大きな被害を受けた日高川町の長子八幡神社(龍田久雄宮司)と丹生神社(井口健佑宮司)では神殿式だけが執り行われ、水害からの一日も早い復興を祈願した。
 両神社とも氏子地域の被害が甚大なことからすべての余興などは自粛した。長子八幡の神殿式には各地区の総代14人が参加。粛々と執り行われ、龍田宮司が総代らをお祓いしたあと、祝詞を読み上げ、まず五穀豊穣を祈願。続いて「怪物と化した自然には歯が立たなかったが、日高川の再生、復旧、復興へ英知と力を出している氏子、すべての住民にいたるまでに大神たちの広き、厚き恩頼(みたまのふゆ)を遠永にお願いします」と祈った。
 総代会の龍田満喜男副会長は「せっかくのいい天気ですが、このような状況なので仕方ないです。復旧、復興と今後の安泰をお祈りしたので、来年はきっといい祭りを迎えられると思います」と話していた。丹生神社の神殿式では総代15人が復旧、復興を願った。