台風12号の豪雨から1カ月が過ぎた3日、仁坂吉伸知事はこれまでの復旧・復興への取り組みを振り返り、まだ残されている県民生活や産業、観光の再建、紀伊半島一周高速道路の早期実現にあらためて意欲を示した。
 この日の定例会見で記者の質問に答えた。この1カ月間の復旧の速度については「いろんな被災後の状況を(他の災害と)比較すると、ずいぶん早いと思うが、満足はしていない」とし、「山の中の道など不通となっている道路の復旧、川の改修なども早く着手しなければならない」。生活再建では避難所暮らしが続く人を対象とした旅館等への受け入れ、被災地近くへの仮設住宅建設など進めており、今後はさらに住宅再建に対する国からの支援に上乗せする県独自の補助を検討していることを明らかにした。
 また、紀南地方の経済発展と災害時の備えも含め、あらためて紀伊半島一周高速道路の必要性を強調。「(今回の台風被害で)交通ネットワークがすごくぜい弱であることを思い知らされた。国はいままで見捨てられてきた紀南に高速道路を通し、『どんなときでも大丈夫なようにしておいてあげる』というメッセージぐらいは出してほしいと期待している」と述べた。