昔から、 日本という国の形自体が好きだった。 北海道から沖縄まで南北に長く連なるこの島々は、 小さいけれどもなんて美しい形をしているんだろう、 と思っていた。 まるで小さな昇り龍のようだ、 と◆あの日、 報道で見た東日本大震災発生の仕組みの図解からは 「日本列島自体が根底から揺さぶられている」 という印象を受け、 背筋がぞくっとした。 この美しい小さな国自体がダメージを受けてしまった、 と思えた◆発生から2週間。 当地方でも 「少しでも役立ちたい」 「被災された方の力になれれば」 との多くの真摯な声が上がり、 連日のように募金や救援物資の送付が報道されている。 一つのいきものの負傷した部位に、 それを治すべく栄養を持った血液が流れこみ、 治癒させるための白血球が集まっていくように、 全国から思いを込めた救援の手が伸びている◆体の一部が傷を受けても、 痛みの負担は全体に及ぶ。 だがそれに耐え回復するためには、 健康な部分はその健康を保たなければならない。 ダメージを受けた部分に余力を注ぎ手当てしながらも、 必要な力を失ってはならない。 全体が活力をなくし衰えてしまっては、 なんにもならない。 元気な部分が動いて、 活力を起こしていくことも必要だ◆多くの資金が必要になってくるのはこれからだと思うが、 募金以外で必要とされる基本的なことは、 長期的に関心を持ち、 心を寄せ続けることではないかと思う。 情報を得続け、 見つめ続けること。 気遣い続けること。 知ることで思いが生まれ、 芽生えた思いからそれに対する行動も生まれていく。 常にその部分を大事に思う、 という気遣いが、 生命力の回復につながる空気を醸成する。 (里)

