708①.jpg 「常に一生懸命な姿が印象に残っている」。チーム一の努力家と吉田茂監督が推薦する控えの外野手。
 
 「野球が好き。1回しかない人生やし挑戦してみよう」。クラスで身長の順番に並ぶと前の方。野球を始めたのも小学校卒業後と遅かった。中学校でもレギュラーではなかったが、入部に迷いはなかった。
 
 体格と経験を補うのは練習しかない。学校の授業の前にグラウンドに出てきて素振り、普段の練習後も昨秋の新チームになって以降はほぼ連日居残り、黙々とバットを振ってきた。「もっと体力をつけたい、うまくなりたい」。体は小さいがひたむきな姿は存在感を大きくし、吉田監督の目にも留まった。
 
 試合前の円陣の際、主将に続いてゲキを飛ばす役を任されている。輪の中心に迎え入れられるのは、同級生だけでなく下級生にも頑張りが認められている証しだ。
 
 学校の成績も優秀。特に英語が得意で、将来は「メジャーとか外国人とか、野球選手の通訳になりたい」。2年の夏に進路を決めると、野球の練習で遅くなって帰宅した日でも空き時間を見つけては単語帳を手に勉強。グラウンド以外でも努力家、将来の夢へ一直線。
 
 「一生懸命にやってきたので充実感でいっぱい」と白球を追いかけてきた2年3カ月余りを振り返り、「ガッツなら誰にも負けない。元気いっぱいのプレーでチームを波に乗せたいですね」と紀三井寺での活躍を力強く誓う。