日高地方では7月中旬から約2カ月間、まとまった雨が降っていない。川辺観測所(日高川町和佐)のデータによると、8月の雨量は9㍉だけ。1999年の観測開始以来、最少だった2010年の20・5㍉を下回り、観測史上最少を記録した。日高川の椿山ダムの貯水率(先月28日現在)も34%、切目川ダムは10%まで下がり、水不足が深刻。しかし、天気予報によると、4日から本降りの雨が降る見込み。災害には至らない、水不足を解消する恵みの雨になることを期待したい。
とはいえ、日照りが続いた期間が長かっただけに、収穫を前にしたミカンの果実が大きくならないなど、農作物への影響も出ている。農家にとっては、待ち望んだ雨ではあるが、これまでの水不足による影響をすぐに取り戻せるわけではない。
農業はもちろん、私たちの日々の生活も水なしには成り立たない。飲み水、炊事、洗濯、風呂など、意識することなく水を使っている。普段は蛇口から当たり前のように流れ出るため、そのありがたさを忘れがちだが、ひとたび水不足になると、その存在の大きさに気付かされる。人間は勝手なもので、雨が多ければ「降りすぎだ」と嘆き、雨が降らなければ「一雨ほしい」と願う。それだけ人間をはじめ生物の暮らしに水は深く結びついているといえる。
日本は世界の中でも水に恵まれた国。蛇口をひねれば、きれいな水がすぐに出てくる。そんな暮らしを当たり前と思うのではなく、水のありがたさに感謝したい。そして、その思いを節水という身近な行動で表していくことが大切ではないだろうか。恵みの雨に感謝するとともに、限りある水を大切に使うことを改めて心がけたい。(雄)


