県が進めている御坊市内の下川放水路整備事業説明会が去る10日にあり、放水路工事による地下水への影響が少ないとの調査結果が報告された。放水路は北から南へ整備される計画となっており、東から西へ流れていると考えられている地下水が遮断され、周辺井戸の枯渇や濁りが心配されていたが、今回の調査で地下水が北から南へ流れていることが判明した。また、放水路の掘削工事も一日当たり1・5㍍の進ちょくで、仮に影響が出ても限定的であると付け加えた。さらに、地下水の枯渇や濁りなどの影響がもし出た場合は個別に対応して補償する方針も示しており、客観的にみればこの工事に大きな問題はないように思う。近年、激甚化する自然災害の対策は待ったなしの状況であり、下川放水路の早期着工、完成が待たれる。
説明会の最後には市自治連合会の酒本和彦会長が推進の立場から下川放水路の必要性を訴え、県が「10年間」とした施工期間について、「最低でも7年間で完成を」と早期整備の注文を付けたところ、多くの出席者から拍手が起きていた。この日、下川放水路整備の賛否を採ったわけではないが、説明会を見る限りでは整備計画がおおむね了承され、事実上ゴーサインが出されたと言ってもいいだろう。
しかし、出席者の一部から「本当に大丈夫なのか」「地下水の値打ちをもっと知ってほしい」など不安の声が根強くあったのも事実。長年、この地下水とともに生活してきた人だからこその思いであり、この気持ちに寄り添い、理解してもらいながらいかに事業を進めていくのか。県当局には引き続き真摯(しんし)な姿勢で取り組んでいただきたい。 (吉)


