由良町で「近大クエ」の養殖・提供を行っている近畿大学のベンチャー企業・株式会社アーマリン近大(本社=白浜町)は、近年の海水温上昇の影響で近大クエの安定供給が難しくなることから、クエとハタ科の魚タマカイを掛け合わせた「クエタマ」の導入を提案している。24日には中央公民館で観光協会会員向けの試食会が開かれ、参加者はクエと遜色ない味わいを確認した。採用されれば来年にも町内の旅館などで提供される見込みだ。

近大クエは2015年にアーマリン近大が戸津井で養殖を開始し、17年から町内への出荷を始めた。和歌山で生まれた稚魚を鹿児島県・奄美の養殖場で育て、その後、戸津井や白浜の養殖場で成魚まで育成して出荷している。
しかし近年の高水温による疾病で、昨年は奄美で育てていたクエが大量死し、今後数年間の供給に影響が出る見通しとなった。
クエタマはクエの味の良さとタマカイの成長の早さを併せ持つ魚で、2011年に近畿大学が日本で初めて生産に成功した。近大クエの約3倍の速さで成長し、高水温や病気への耐性も備える一方、味はクエとほとんど変わらないという。
試食会には観光協会に所属する旅館経営者らが参加し、刺し身や鍋で味を確かめた。参加者からは「クエと全く変わらない」「コラーゲンが豊富で近大クエよりおいしく感じる」など好意的な意見が聞かれた。
今後は本格導入に向けた協議を進め、来年中の町内提供を目指す。現在、クエタマは同社直営レストランなどで提供されており、同様の取り組みは近大クエを提供している由良町と白浜町で進められている。
近大クエは今年9月末まで供給を一時停止するが、需要が高まる10月から来年1月末までは例年並みの出荷量を確保できるとしている。


