由良町衣奈でハマチの養殖を行っているくら寿司が、今後の増産計画を明らかにした。現在は衣奈で21台、戸津井で10台の計31台のいけすを設置し、オーガニックハマチを中心に養殖している。オーガニックハマチは上位のプレミアム回転寿司ブランド「無添蔵」で提供され、人気商品となっている。養殖現場では、AIがカメラで魚のえさへの食いつき具合を判断し、給餌量を決める自動給餌システムも導入されており、最新技術が活用されている。
今回明らかになった計画では、近く日高町柏沖にオーガニックハマチ用のいけす10台を増設するほか、来年6月には神谷でブリ養殖用として最大50台のいけすを新設する。実現すれば柏沖分を除いても約90台となり、くら寿司が全国に持つ約300台の自社養殖用いけすの中で、由良町は最大級の養殖拠点となる。
さらに旧白崎中学校を活用したウニとエビの陸上養殖も今夏から始まる予定だ。身入りが少なく商品価値の低いウニを高品質なウニに再生する取り組みで、磯焼けの原因とされるウニの異常繁殖対策にもつながるという。
こうした事業は単なる生産量の拡大にとどまらない。養殖施設の増設や陸上養殖の開始によって新たな雇用の創出が期待されている。人口減少や担い手不足が課題となる地方にとって、安定した働く場が増える意義は大きい。
地方創生が叫ばれて久しいが、自治体だけで地域を活性化するには限界がある。資金力や技術力、販売網を持つ企業との連携は、地域に新たな可能性をもたらす。今回の計画が一過性のものに終わることなく、地域経済の活性化や雇用創出につながり、由良町の未来を支える力となることを期待したい。(城)


