全国各地でふるさとをよりよくしようと頑張る人をたたえる総務省の今年度ふるさとづくり大賞の受賞者が決まり、日高地方からみなべ町東本庄、一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会代表理事の島田由香さん(52)が総務大臣賞「明日への希望賞」に選ばれた。島田さんは日本一の梅の産地みなべ町で梅収穫ワーケーションを展開。都会と田舎をつなぎ、労働力不足解消につなげる取り組みで地域に貢献している。

梅収穫ワーケーションの取り組みでふるさとづくり大賞を受賞した島田さん(みなべ町の梅畑で)

 島田さんは生まれも育ちも東京。2019年、初めて訪れた白浜の魅力にハマり、2年ほど通い詰めていた際、同町役場の人に「白浜だけじゃない」とみなべ町の梅生産者、梅加工業者、運送業者ら30~40代の若手メンバーを紹介されてすぐに打ち解け、温かい人柄とみなべ町の風土が好きになった。

 メンバーから梅収穫時期の深刻な労働力不足という課題があることを聞き、「東京にはたくさん人がいる。ワーケーションの聖地・和歌山と都会を結び、みなべで梅収穫をしてもらおう」と梅収穫ワーケーション(梅ワー)というアイデアを発案。若手メンバーらの協力を得ながら22年から梅ワーをスタートさせた。

 23年には「生まれて初めて『この町に税金を納めたい』と思える町と出会えた。梅ワーをずっと続けたい」と思い、みなべ町へ移住。梅ワーは東京や大阪を中心にこれまで4年間で延べ1260人が体験しており、参加者にとっては都会では味わえない農産物の収穫ができるとともにみなべ町の魅力を知る機会になり、労働力不足という地域が抱える大きな課題の解消にも多大に貢献している。

 島田さんによると、梅ワーは参加者の満足度が高いのはもちろん、それをきっかけに梅農家の横のつながりが広がったほか、梅農家自身が民泊免許を取得して農泊を始めたり、SNSでの発信に挑戦するなど新しいことが生まれており、受け入れ側の満足度が非常に高いのも特徴という。

 心と体が健康で、自分の幸せや充実感を大切にするのがウェルビーイング。「参加者も受け入れ農家さんもウェルビーイングが高まっているのがうれしい」と笑顔を見せ、受賞には「非常に光栄ですが、私一人では絶対にできないことで、受け入れ農家さんとつないでくれたのもみなべの仲間の皆さん。みなべの人とつないでくれた白浜役場の方も含め、本当に心温かい皆さんがいたからこそできたこと。一度来れば絶対に好きになるみなべ町へ世界中の人に来てもらえるように、これからもつながりを広めていきたい」と話している。

 表彰式は2月10日に東京で行われる。