網を投げ入れて落ちアユを捕獲する三井さん(16日、田辺市龍神村で)

 清流日高川で、秋の風物詩として知られる落ちアユ漁「ハメ漁」がピークを迎えている。

 産卵のため川を下る落ちアユを網で狙う伝統漁法。事前に川幅いっぱいに約1㍍間隔で竹の杭を打ち込み、杭に沿ってわらなどを取り付けたロープを張る。川を下るアユはこの仕掛けが障害物となり、仕掛けの前で集まる習性を利用し、そこに長さ約10㍍の「小鷹(こたか)」と呼ばれる網を投げて捕まえる。

 田辺市龍神村広井原で食堂とおとりアユ販売店「つり吉」を経営する三井千秋さん(74)は約20年のベテラン。解禁となった今月初めからハメ漁を行っており、16日には1回の漁で20~23㌢のアユを20匹程度捕まえた。「今年は量、型ともいい。この漁が始まると秋の深まりを感じる」と話していた。

 漁期は12月末までだが、11月下旬ごろにほとんど終了する。