御坊市内で4軒目となる子ども食堂がオープンしたのは既報の通り。運営主体は県福祉事業団で、旧御坊町内にある趣のある古民家の野村邸を活用。カレーの食事を提供し、季節のイベントなども企画していくそうだ。

 子ども食堂は子どもらに無料や低額で食事を提供する場だが、低所得世帯の支援にとどまらず、世代を超えた地域住民の交流の場としても注目。岸本周平知事は前年度から3カ年計画で新たに約150カ所の子ども食堂をオープンし、県内200ある全小学校区に1つずつの環境を目指している。

 県ホームページでこども食堂一覧をみると、昨年11月末現在で57カ所だったが、今月21日現在では91カ所に増えている。このうち日高地方は御坊市4軒、美浜町1軒(2022年2月から休止中)、由良町1軒、みなべ町1軒の計7軒。御坊市では河南地区、そして日高郡部ではまだまだ取り組みが進んでいないのが現状だ。県では23年度からこども食堂支援事業を拡充。食堂の開設に当たっての設備や備品購入に最大40万円、学習支援や世代交流の経費に最大20万円を補助する制度となっている。担当課によると、12月20日が今年度の締め切りで、その前でも申請数が予定を超えた時点で募集を終了するとしているが、現時点ではまだ空きがあり、ぜひ活用してみてはいかがだろうか。

 地域住民やNPOなどのほか、今回のように福祉関係の事業団がオープンさせるケースもあり、例えば複数の企業が連携して参画することもできるだろう。もちろん補助があっても物価高騰の中で運営が大変な面もあると思うが、みんなで力を合わせ地域の居場所づくりができていくことを願っている。(吉)