チャンピオンベルトを巻いてこぶしを握る入田選手

 総合格闘技「チーム日高」(垣内義秀代表)所属のプロ格闘家、入田和樹選手(36)=日高川町入野=が14日、兵庫県立武道館で開催された国際チャクリキ協会認定のインターコンチネンタルヘビー級王者決定戦でTKOを収め、見事、初代チャンピオンに輝いた。3ラウンド終了間際、得意の右フックがさく裂、これでプロ転向5戦5勝5KO。来月には早速防衛戦が組まれており、今後の活躍に注目が集まる。

 入田選手は、キックボクシング・ドリームゲートヘビー級王者として3度防衛に成功していたが、さらなる高みを目指してベルトを返上。今回、国際的な王者の座をかけた一戦に臨んだ。

 インターコンチネンタル王座は、キックボクシングの聖地・オランダのアムステルダムにあるチャクリキ本部を中心とする欧州地区、チャクリキ・ジャパンを中心とするアジア地区、チャクリキ・ブラジルを中心とする南米地区の3大陸統一タイトル。各階級にチャンピオンがいるが、ヘビー級は不在で、今回初代王者決定戦が日本で行われた。

 「チャクリキ16白鷲祭」のセミファイナル(3分5ラウンド制)で行われ、前グラジエーターヘビー級王者の大番高明選手(パラエストラ広島)と対戦。同じ年齢、同じ身長185㌢、体重は入田選手が95㌔に対して大番選手は120㌔。「電柱を蹴っているようだった」というタフな強敵相手に第1ラウンド終了間際に右フックでダウンを奪ったが、相手が立ち上がったところでゴング。第2ラウンドは互いに一歩もひかない壮絶な殴り合いとなり、第3ラウンドは攻撃の組み立てを変え、ボディーブロー2発でガードを下げたところへ、2分45秒ごろに右フック一閃。相手がダウンすると同時にセコンドからタオルが投げ込まれ、TKO勝ちした。この日のメイン試合に登場した大仁田厚さんからは「なかなかやるじゃないか」と声をかけられ、一緒に記念撮影した。

 16日には久留米啓史日高川町長を訪ね、チャンピオンベルトを見せて勝利報告。入田選手は「御坊から58人を含めて県内から100人の応援団が駆け付けてくれ、2ラウンドは相手の攻撃に心が折れそうになったが、応援のおかげで勝てた。みんなで獲ったベルト」と声援に感謝。来月24日には元プロボクシング世界チャンピオンの西島洋介山選手との防衛戦が決定。今回の初代王者で今後、さらなるオファーが予想され、「体をケアしながら走り込んでスタミナを落とさず、まずは来月も頑張りたい。40歳まで無敗でいきたい」と意気込んだ。