印南町印南で9月23、24日の2日間、かえるの港周辺や公民館、商工会館を会場に「Kisssh│Kissssssh(きしゅーきしゅー)映画祭」が開かれる。例年、和歌山市内で開催されているが、今回は印南町が舞台。まち全体を会場と捉え、町内の施設や商店を巡りながら芸術を楽しめるイベントを目指し、準備が着々と進められている。

 同映画祭は「海のそばで波音を聞きながら映画を観たい」という発想のもと、和歌山市の若者を中心に実行委員会が発足。2013年から加太漁港周辺などを会場に開催してきた。商店街の空き店舗や空き家を活用して映画上映や展示が行われ、夜には野外に高さ6㍍、幅5㍍の特設スクリーンを設置して映画を上映。開放的な空間で映画を楽しめると、地元では恒例イベントとして定着してきている。

 今回は全国から集まった約150作品の応募の中から、実行委員会の審査で選ばれたインディペンデント映画入賞作品(自主制作映画)5作品を中心に計12作品を上映する。このほか、映画制作者のトークセッションや飲食ブースの出店も予定。グランプリや最優秀主演賞は、観客の投票により決定する。

 実行委員長の小川貴央さんは「漁港が近い印南町の町並みや雰囲気を感じながら、劇場ではできない体験を楽しんでいただければ」と話している。

 チケットはすべての会場で映画鑑賞ができるフリーパスチケット(1日パス=前売り2000円、当日2500円、2日間パス=前売り3500円、当日4500円、入退場自由)や、映画ごとのチケット(1000~1500円)が販売されている。購入は映画祭公式サイトから。小雨決行。荒天の場合はかえるの港での上映を取りやめ、公民館、商工会館のみの上映とする。コロナの感染状況により、中止・延期の場合がある。