奉納した大灯ろうと良次さん㊧、裕加里さん

 由良町門前、臨済宗鷲峰山興国寺(山川宗玄住職)で15日夜、火祭りが行われる。今年も新型コロナの影響で規模縮小の中、県指定無形文化財の「灯ろう焼き」を実施。11日に檀家で羽山表具店勤務の岡良次さん(58)と、妻の裕加里さん(56)が寺を訪ね、大灯ろうを奉納した。

 開山以来750年以上続く盂蘭(うら)盆会の精霊送り行事。コロナ禍のためおととし、昨年と同様、地元小学生の「たいまつ踊り」、力自慢の若衆による「土俑(どよう)担ぎ」は取りやめる。今年も午後8時から法要が始まり、同寺東の無常堂に移動。灯ろう焼きが行われる。

 岡さん夫婦の大灯ろう奉納は17年目。全長約4㍍、ヒノキと和紙で作られ、上部に同寺の紋「笹竜胆(りんどう)」や花、側面に「南無阿弥陀仏」の切り抜き文字や網状の飾りが施されている。

 今年も檀家が持ち寄る切り子灯ろうを製作しながら、7月から作業開始。コロナ収束の願いを込め、この日早朝から法堂(本堂)で仕上げた。奉納後、良次さんは「ほっとしています」と笑顔を見せ、「コロナの感染が広がって大変な状況ですが、灯ろう焼きを通してご先祖様を供養していただければ。一日も早く平常を取り戻せるるよう願います」と話していた。