最終の短歌会に出席した会員ら

 広く日高地方全体から会員が参加していた短歌愛好団体、日高短歌会(小田実会長)は今年4月の会を最後に解散。最後の歌集として創立70周年記念「歌集日高」第17集を発刊した。昭和27年(1952)に創立された歴史ある短歌会で、70周年の節目の年に解散となった。小田会長は「結社や流派、地域の枠を超えた短歌会としての役割は果たすことができたと思います」と話している。

 1952年7月、「特定の結社や流派に所属せず、会員の自由な短歌の研さんと相互の親睦を図ること」を理念に掲げて結成。当時はまだ、日高地方各市町村に短歌会はなかった。第1回の短歌会は発起人の井上豊太郎氏が主宰して開催。その後、中津芳太郎氏が長く会長を務め、97年から小田さんが会長となった。公民館などのない頃から寺社や個人宅などを会場に毎月の短歌会を開催。各地への吟行など積極的に活動を続け、合同歌集「日高」は2002年に16集まで発行していた。

 最終回の短歌会は今年4月に御坊市中央公民館で開催。13人が出席し、記念写真を撮影した。最終となった「歌集日高」第17集には、会員15人、元会員7人、物故者4人の各十首、全260首の短歌を掲載。題字は小田会長、表紙絵は会員の市木凉江さんが担当した。小犬が四つ葉のクローバーを手にしたかわいらしい絵となっている。幹事の田端弘さんが序文、同じく幹事の片山清子さんがあとがきを担当。田端さんは「先輩各位が目指した各地域の短歌会もくまなく結成され、隆盛が図られています」、片山さんは「創立の目的が達成されていることにより、この歌集をもって七十年という長き歴史に幕を下ろすこととなり、ひしひしと寂しさを感じている。毎月の歌会は楽しく充実していた」と述べている。

 会員は次の皆さん。

 小田実、田端弘、片山清子、市木凉江、山下清美、仲田美智子(以上歌集編集委員)、齋清美、籠田くみよ、坂本美紀代、崎歌代子、鈴木幸代、玉置昌美、細川ミチヨ、村田純子、森本香代子