日裏町長から表彰状を受け取る坂下さん

 印南町の文化や教育の向上に功績があった個人や団体をたたえる町長表彰に、町文化協会会長の坂下緋美さん(81)=印南=が選ばれ、1日、役場で表彰式が行われた。日裏勝己町長から表彰状を受け取った坂下さんは、活動を通じての多くの人との縁に感謝。引き続き、大好きなふるさと印南の伝統文化継承に意欲をみせた。

 町長表彰は2008年に創設。町の産業振興、教育、芸術、体育、社会福祉など、あらゆる分野から町に大きく貢献した人をたたえており、これまで1団体、7人が受賞している。

 坂下さんはこれまで、町の社会教育委員、公民館印南分館長、文化財保護審議会委員などを歴任。2002年から町文化協会の会長を務め、町の歴史文化の発展・継承に尽力している。定期的な学習会・イベント開催のほか、町内にある熊野古道四王子の語り部活動や、それぞれの王子を擬人化したキャラクター作成にも携わるなど、地域の観光振興や魅力発信にも大きく貢献してきた。また、かつお節の製法伝授を行った印南漁民3人の歴史を研究、その功績を広める活動にも尽力し、2015年に顕彰碑を建立するなど、かつお節発祥の地・印南を内外にPR。これらふるさとの誇るべき歴史文化を後世に伝えるため、地元の子どもたちへの地域学習活動にも積極的に関わっている。

 表彰式では、日裏町長が「そのご活躍は町民では知らない人がいないほどです。私も町長に就任してからいろいろなことを教えていただきました。先人が築いた町の歴史文化をこれからも後世に伝え、発展にご尽力いただきますようよろしくお願いいたします」と感謝の意を伝えた。

 坂下さんは「しばらく印南を離れた期間があり、帰郷した時は地元のことを知らなかったのですが、今では印南と結婚していると思うくらい大好きです。これまで数えきれない方とご縁をいただき、郷土のことを教えていただきました。これも皆さまのおかげです」と述べた。