宮所社長㊨の指導でケーキ作りを体験する学生ら

 御坊市薗、パンとケーキのカフェ「ボナペティ ヤナギヤ」で津田塾大学(東京)の女子学生3人が実践型インターンシップに取り組んでいる。製造したパンを車に積んで移動販売する「できたてパンの宅配便」の業務を体験。職業体験だけでなく、改善点など感じたことを店側に提案する。経営する有限会社ヤナギヤの宮所忠喜社長は「都心部に住む若者の感覚を経営に生かせる」と期待している。

 ヤナギヤはパンの宅配を2015年から始めた。田辺市龍神村、印南町、みなべ町、由良町、有田川町、湯浅町、有田市の7市町で2ルートを巡回していたが、今月初めから有田地方で1ルートを増設。この新しい取り組みに対し、都会の若者の感覚を事業に取り入れようと、若者と企業を結びつけて企画・運営する田辺市の「TODAY」(山田かな子代表)に今回の実践型インターンシップを依頼した。

 津田塾大学から菅野桃子さん(埼玉県出身)、佐々木こころさん(福島県出身)、粟井美有さん(神奈川県出身)のいずれも1年生の3人が18日から訪れ、8月5日まで移動販売を中心に業務を体験。改善点などを随時店側に提案する。6日から12日まではオンラインを活用しながらさらに協議を進め、「車がどこの位置を走っているのかを把握できる仕組みづくり」「お客とのコミュニケーションづくりにプロフィールシートを活用する」などの方法を盛り込んだマニュアルづくりを進める。8月8日から9月27日までは大阪の大学生もインターンシップを体験し、業務の効率化などを検討する。

 3人は「業務を体験し、感じたことを企画できるというインターンシップに魅力を感じるし、おいしいパンを過疎地域に届けるという真心のこもった業務にも共感したので参加しました。実際にやってみると、移動販売を通じ、人と人とのつながりを感じました」と話していた。

 ヤナギヤでは8月8日から、観光型体験の立案・実行についても学生の実践型インターシップを活用し、検討を進めるという。