わかやま夏の交通安全運動が展開されている。運動の重点は「横断歩道における歩行者優先の徹底」「飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶」「自転車の交通ルール順守の徹底と安全確保」――の3つ。初日、御坊署では和歌山市出身のモデル本谷紗己さんが一日警察署長を務め、交通指導取り締まり出発式が行われた。

 同じ日から、県と県警本部は「サイン+(プラス)サンクス運動~『手を上げて+ありがとう』で渡る横断歩道」をスタート。横断歩道を渡るときに歩行者が手を上げる(サイン)などし、運転者へ横断する意思を明確に伝えることに加え、停止してくれた運転者に対し「ありがとう」(サンクス)の気持ちを会釈などで伝えることで、運転者に横断歩行者保護の意識を向上させ、横断歩行者事故を抑止することを目的とした運動だ。

 歩行者は、会釈などで「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えるため、横断歩道を渡る前に運転者とアイコンタクトする習慣が身に付き、安全確認を図ることが可能。横断歩道の手前で一時停止する義務がある運転者は、感謝の意を伝えられることで、止まってよかったという心地よさから、次も止まろうという意識の継続性につながり、また、子どもたちは横断歩道の手前で止まってくれたという経験を重ねることで、自身が運転者となった際に横断歩道における歩行者優先の意識が根付く効果に期待されている。

 今年6月の県調査結果によると、信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況は、手を上げない場合の5%に対し、手を上げた場合は85%と17倍。「手を上げ感謝」で事故がなくなれば。(笑)