校門前で児童を迎える教員ら(印南小学校)

 先月27日、園児や女児の誘拐を予告する不審なメールが県内の各市町に届いたことを受け、犯行の予告日である5日、日高地方の各市町も小中学校、こども園に登下校する子どもらの見守りを強化。教職員はじめ市町職員、補導員らが学校前や通学路に立ち、登校の安全を確保した。

 先月27日、各市町の問い合わせ用メールアドレスに「ルイズ突撃隊の一員」と名乗る人物から「今度、7月5日に登下校中の幼稚園児および女子学生334人を誘拐し、我々の植民地のatGPジョブトレ横浜などに拉致する」といった内容のメールが届いた。同様のメールは全国各地の自治体でみられ、県内でも23市町に届いている。

 印南町は危機管理対策委員会を立ち上げ、5日は午前8時ごろ、町内に大雨警報が発令されていたため、教育委員会は各学校に自宅待機の指示を出していたが、9時ごろ、雨が小康状態となったため自宅待機を解除し、町内放送で登校を呼びかけた。

 印南小学校前では、教員らが校門に立ち児童らの登校を見守った。雨のため車で送ってもらう子も多かったが、児童は元気よく教員にあいさつして校門をくぐっていた。

 榎本龍也校長は「町をあげて見守り体制をつくってもらえることは心強い。セーフティーガードの方もこの日のために準備してくれたことに感謝しています」と話していた。

 同校では、下校時の対策として集団下校の実施や保護者になるべく車の迎えを依頼するなどして、通学路に何人の児童が通るかを把握。通学路の安全体制を強化するとしている。