世界陸上出場を決めた大家選手

 南米コロンビアで8月1日に開幕するカリ2022第19回U20世界陸上競技選手権大会に、日高川町中津川出身で順天堂大学1年の大家利公(おおいえ・りく)選手(18)が男子10000㍍競歩で出場することが決まった。選考会の全日本競歩輪島大会で準優勝し、2枠の出場権を獲得。初の世界の舞台へ、挑戦者として攻めの姿勢で臨む。

 8月1日から6日まで開かれる20歳以下(03~06年生まれ)の世界陸上で、男女それぞれ22種目と混合リレーが行われる。4月に開催された第61回全日本競歩輪島大会男女10㌔ジュニア競歩で、大家選手は41分18秒で準優勝。今月28日に発表された2人の日本代表に選ばれ、世界の舞台を決めた。

 大家選手は、大成中学校陸上部時代に全国駅伝出場を果たし、高校でも全国大会を目指すため田辺工業に進んだ。ラン種目で結果が出せずにいたなか、2年生で競歩に転向。当時の藤井歩監督(現在は紀央館高校陸上部顧問)は、全国で戦える競歩選手を育てており、長距離の練習にも競歩を取り入れていた。きれいなフォームの大家選手に「競歩で結果を出し、自信をつけてほしい」と転向を勧めた。

 大家選手は3年になる頃に急成長をみせ、県総体で優勝し、近畿は2位で全国へ。インターハイでは7位に入賞するも不完全燃焼で、卒業間際の今年2月に出場した第33回U20選抜競歩大会では準優勝して全国に存在感を示した。大学進学直後に行われた世界陸上選考会の輪島大会も序盤からレースを引っぱり、ラストは2位となったものの世界への切符をつかんだ。

 大家選手は「大学在学中に世界で戦えるようにと思っていたが、こんなに早く出られることに驚いている。不安もあるが、せっかくの大舞台。他の競技や選手に刺激をもらい、挑戦者として攻めのレースがしたい」と意気込んでいる。

 高校時代の恩師藤井さんは「責任感が強く、日本代表のプレッシャーを感じると思うが、日の丸を着けられることは幸せなこと。結果よりも大会を楽しんで競技や人生の糧にしてほしい」と話していた。