印南町公民館で29日、県精神保健福祉センター主催の研修会が開かれ、御坊保健所と同保健所管内市町の担当職員、紀南看護専門学校の学生ら32人が参加した。

 講師に一般社団法人メンタルウェルビーイングパートナーズの原見美帆理事長を迎え、「私たちに今、できること~当事者もピアサポーターも支援者も、共に取り組む喜びを力に~」をテーマに、精神障害者の社会的孤立を防ぐため、地域全体で当事者を支援する取り組みの必要性を学んだ。要介護認定の高齢者を支える仕組みとして「地域包括ケアシステム」があるが、原見理事長は精神障害者の支援にも対応した地域包括ケアシステムを構築する必要性があると述べた。

 続いて、精神障害者と同じ立場の当事者が支援側に立って支える「ピアサポーター」として活動する角谷久美子さん、殿垣内能範さんが当事者活動の経験を発表。角谷さんは自身が病気になった経緯や治療を経てピアサポーターになるまでの経験を語り、「いろんな方と出会い、話をして、笑顔になれたときが一番うれしい瞬間だと感じました。ピアサポーターという存在が事業所だけでなく、まちにもなじむように、もっと広まることを願っています」とピアサポートの大切さを訴えた。