酒本さんがMVPの前川選手㊧と優秀賞の山﨑選手㊨にユニホームなどをプレゼント

 御坊市出身の元プロサッカー選手で、現在はセレッソ大阪のアンバサダー(大使)を務めている酒本憲幸さん(37)が25日、日高川町南山陸上競技場で開かれたきのくに信金杯小学生サッカー大会に特別ゲストとして登場した。小学生とのスペシャルマッチや低学年対象のサッカー教室などで子どもたちと交流。プレーを通じてサッカーの楽しさや仲間を大切にすることを伝えた。

 酒本選手は御坊キックマン、海南三中、初芝橋本高から18歳でセレッソ大阪に入団。16年間所属したあと、2019年シーズンから3年間を鹿児島ユナイテッドFCでプレーし、昨年12月に19年間の現役を引退。その後、セレッソ大阪アンバサダーに就任し、セレッソのPRやサッカーの普及活動などを展開している。今回は日高地方の子どもたちにサッカーの楽しさを伝えたいと、アンバサダー就任後初めて日高入りした。

 高学年のオールスター戦を観戦したあと、酒本さんの小学生時代のチームメートらでつくる「チーム酒本」で小学生メンバーとスペシャルマッチ。酒本さんはワントップのポジションで、センターライン付近でボールを受けると、そのまま1人でドリブル突破。現役時代をほうふつとさせる切れ味鋭いテクニックと強烈なシュートを何度も披露した。元プロの本気のプレーに、子どもたちは「すげー」「ヤバい」を連発。対戦した選手たちはプロのすごさを肌で感じていた。

 オールスター戦で2得点してMVPに輝いた前川一翔選手(ブレイズ湯浅6年)、1得点で優秀選手賞の山﨑玲凜選手(ダンシーマ6年)にセレッソ大阪のユニホームなどをプレゼント。実際に対戦した前川選手は「体が強くて、シュートもパスもすごかった。あんなプレーができるようになりたい」、山﨑選手も「テクニックがすごくて、対戦できてうれしかった。酒本さんのような選手になりたい」と目を輝かせた。

 ひざから血を流すほど本気のプレーを見せた酒本さんは、「スピードやテクニックなど、少しでもプロの世界を肌で感じて刺激にしてほしいとの思いでプレーした。無理とは言わず、チャレンジしていいんだということをピッチで伝えたかった」と胸の内を明かし、「私自身、サッカーを通じて本当に多くの出会いがあった。子どもたちにも仲間を大切に、友達のために戦い、何よりサッカーを楽しんでほしい」と選手たちにメッセージを送った。

 会場には御坊キックマン時代の恩師、梅本昌照さんも姿を見せ、懐かしい話に花を咲かせていた。