来年4月29日の任期満了に伴う県議会議員選挙御坊市選挙区に、前職中村裕一氏(62)=熊野=が17日、正式に立候補を表明した。

 1983年に同志社大学商学部卒業、二階俊博衆議院議員秘書、御坊市議会議員を経て、89年に御坊市選挙区で県議会議員に初当選。以来、連続8期を務め、現在、自民党県連政策審議会委員、県ホッケー協会副会長など。

 出馬に向けては「3年前の選挙で落選して、初めて見えたことがある。自分では意識していなかったが、長年議員を務めさせていただき、おごりや高ぶりがあったのかもしれない。市民に寄り添い、直接話を聞くという姿勢も足りなかった」と反省し、「コロナで市民が苦しんでいるが、共産党議員では市民の要望が県や国に届かず、滞っている。できることならもう一度皆さんのお役に立ちたい」と意欲。「中村裕一は変わります!」をモットーに「ゼロというかマイナスから出発し、新人のような気持ちで『変わったね』と言われるよう、政治に臨みたい。市長や市議会とも連携していきたい」とした。

 和歌山南陵高校で19年5月から今年3月末まで副校長を務めていたことに関しては、「学校運営に携わったが、経営について何か言う立場ではなかった。生徒たちのためにできる限り早く、事業を継承してもらいたい」と述べた。

 今後、自民党の公認や公明党の推薦を要請していくとし、後援会も組織していく。御坊市役所で行われた会見には妻久美子さん(61)が同席した。

 現在、御坊市選挙区には現職楠本文郎氏(67)=共産党県議団=が立候補を予定。同市議会議員の出馬の話もあり、三つどもえの戦いが予想されている。前回、19年4月の選挙では楠本氏が6193票、中村氏が5946票だった。