高校総体県予選が真っ盛りで、地元勢の活躍が連日紙面をにぎわせている。勝ち負けがすべてではないが、念願の全国出場切符を手にした選手の喜びはひとしおだろう。筆者も数種目を担当したが、うれしそうに取材に応じてくれる選手にこちらも力をもらった。「優勝した瞬間はうれしく自然と涙があふれました」と話してくれた選手もいて、胸が熱くなった。7月には中学3年生にとって最後の大会となる中体連日高予選が始まる。また熱い戦いが繰り広げられるのが楽しみだが、来年からは中体連の大会も様相が変わるかもしれない。

 日本中学校体育連盟は来年度から、全国中学校体育大会(全中)にこれまでの学校単位だけでなく、クラブチームや団体の参加も認める方針を決定した。例えばサッカーなら、Jリーグの下部組織も参加できるようになる。日高地方でクラブチームといえば野球やサッカー、バレーボールなどが思い浮かぶ。場合によっては、学校単位のチームでは太刀打ちできなくなることもありえる。いや逆に打倒○○と燃えるかもしれない。生徒にとっては部活かクラブチーム、どちらで出場するか余計な心配が増えることになるかもしれない。

 背景にあるのは、単独でチーム編成できないなど少子化と、教員の負担軽減のため、部活動を地域総合型スポーツクラブ等へ移行させる議論が進んでいること。日高地方の小規模校では部活の種類が少なく、やりたい種目が学校にないことが課題の一つ。スポーツクラブに移行することで解消につながるなら歓迎だ。ただ、すべての市町で受け入れ体制が整っているかというと、現状はまだまだ。とにかく選手ファーストの仕組み作りを願う。    (片)