県議会は14日、一般質問が行われ、日高郡選出の楠本文郎議員(共産党県議団)が、学校法人南陵学園(静岡県菊川市)が運営する日高川町の私立和歌山南陵高校で教職員のストライキなどの問題が相次いでいることに関して、県の調査状況を聞くとともに、早期改善を強く求めた。県側は税金の滞納や長期校長不在などの問題も明らかにし、「南陵学園の経営は極めて不健全な状況」として、引き続き強く指導していくことを約束した。

 楠本議員は県が行っている調査状況やその背景、南陵学園に対する県の姿勢などを質問したうえで、「こういった状況はきょう、昨日始まったことなのか。ガスが止められ、風呂も入れず、教職員が献身的にフォローした。就学支援金の問題では保護者に返さなかったら、明確な二重取りで、流用したら公金横領罪に問われる中身。先生たちは『子どものために』という思いで頑張っているが、法人にその資格があるのか。県は静岡県と協力して一刻も早く改善を求めることが必要」とした。

 長尾尚佳企画部長は2021年度の学校への現地調査で税金の滞納や図書室の未設置、校長が学校を長期不在にしているなどの問題を確認して指導。21年度就学支援金の流用に伴う預かり金などの保護者への返還遅延では、再三の返還指導を行ったが、保護者と約束した期限までに返還されなかったため、引き続き指導し、保護者への説明を求めているとした。ストライキについても適正な授業時間の確保などを求めている。

 また、先月24日、南陵学園の所轄県である静岡県の実態調査に同行し、財政や運営状況を調査。その結果や未払金の発生状況などから極めて不健全な経営であることを確認したとし、「生徒の就学に影響を及ぼしかねない。文科省の助言を受け、静岡県とも連携を密にし、南陵学園に対して生徒の適正な学習環境の確保と、健全な育成の場を守るよう強く求めていく」とした。

 楠本議員に続き片桐章浩議員(改新クラブ)も南陵の問題をただし、仁坂吉伸知事は「県からも指導しているにもかかわらず、説明責任を果たしていない南陵学園の対応は極めて不適切」などと述べた。

「生徒のため一刻も早く改善を」 と楠本議員