海外のおいしいワインを味わってもらいたい――。御坊市湯川町小松原の飲食店「旬菜kitchen 一楓(いっぷう)」のオーナーでソムリエ資格を持つ小畑久仁子さんが今年3月、今まで日本に輸入されていなかったブルガリアのワイン4種類を輸入、販売を始めた。ワインは愛好家らに人気で、アジア最大のワインコンペティション「サクラアワード」でも入賞した。

 小畑さんは店を経営する傍ら、ワイン好きが高じて2019年にソムリエ資格を取得。翌年からはコロナの流行で飲食店などが大きな影響を受け、「好きなワインを通じてコロナ禍の苦境を打開したい」と考え、日本に輸入されていない未発掘のワインを卸売りすることを思いついた。

 その後、インターネットなどで調べ、日本向けにワイン輸出を希望しているブルガリアのワイナリー(ワイン生産者)と知り合った。ネットを通じてやり取りを重ね、昨年7月には味が異なる6種類を試飲。うち日本人に合う4種類の輸入を決めた。

 ワインは小畑さんが経営する一楓でグラス提供しているほか、御坊市の曽根酒店でも扱っている。5月には和歌山市に輸入会社「Kanow(カナウ) corporation」を設立、今後は通信販売も本格的に開始するという。

 4月に開催されたワイン業界で活躍する女性のみが審査を行い、日本ではまだ知られていないおいしいワインを発掘、スポットを当てる国際コンペ、サクラアワードに2種類のワインを出品。「ヤマンティエヴィ ソーヴィニヨン・ブラン ニューライン」(スティルワイン白)がゴールドメダルを獲得し、熟したトロピカルフルーツとクリーミーなテクスチャー(口当たり)の味わいが高い評価を受けた。小畑さん自身もアワードの審査員を務めた。

 小畑さんは「世界には日本に輸入されていないが、おいしいワインがたくさんあります。そんな未発掘のワインを日本に広めていきたい。世界中のワイン生産者や日本の皆さんがコロナに負けずに元気になるようなワインを届けたいです」と話している。

 今回のワインを取り扱ってくれる酒屋を募集中。問い合わせは「Kanow(カナウ) corporation」℡073―426―7066。

サクラアワード入賞ワインを手に小畑さん